『英検®合格! ENGLISH for FUN 小学生の5級テキスト&問題集』/一ツ橋書店 内容と感想

小学生向け


 

英検対策用教材、

『英検®合格! ENGLISH for FUN 小学生の5級テキスト&問題集』をご紹介。

教材のレベル・内容

意外と子供向けでもないような…

英検5級のレベルは中学初級とされているものの、実際受けるのはたいてい小学生以下。

こちらの教材も「小学生向け」の5級対策本として出版されており、

カラフルな表紙、中身もオールカラーで楽しげなイラストが盛りだくさん、漢字にはふりがな付き。

子供ウケを狙ってシールも付いている。

 

 

そんな感じで一見子供向け感満載な教材なのだが、

中身はというと

 

 

「be動詞」「現在形」「3人称単数」「現在進行形のつくり方はbe動詞+ing形」

 

など、かつて英語が苦手だった大人の方なんかが聞くと嫌悪感が込み上げてきそう

お堅い文法用語がズラズラと並んでいるのだ。

 

 

 

ちょっと意外だった。

教材の見た目はカラフルで楽しげなのだが、中身は堅いのである。

 

英検に熱心な場合、5級は幼児で受けるかと思う。

しかし、幼児から小学生低学年には向いてない教材という印象だ。

 

せいぜい小学5~6年くらいが適当だろうか。

 

文法入門には良い

小学低~中学年くらいまでは、英語は感覚でできてしまうが、

いずれ文法を意識せざるを得ない時期が来る。

 

 

会話に文法なんていらねーよみたいな乱暴な主張もよく聞くが、なんにせよ最低限は必要だ。

 

過去のことを未来形で話すわけにはいかないのだから。

 

中学からは容赦なく文法学習が始まる。まあ、だいぶ会話表現重視に傾いてきているようだが。

 

で、突然「3人称単数現在形」とかいう長たらしい意味不明な用語に「???」となって全く理解できずに付いていけなくなる子も続出する。

中学で初めて習う子だけではなく、小学生までに「感覚」だけで英語をやってきた子はさらに注意が必要だ。

 

 

中学入学後にビックリしないように「文法用語に慣れておく」という意味では、こういう風に思いっきり難しげな文法用語を連発している教材もまあアリなのかもしれない。

 

注意すべき点

ただ、聞きなれない言葉がズラズラと並んでると、やはり

小学生が自力でこの教材を進めるのはなかなか厳しいのではないかと思う。

 

「現在進行形の疑問文を作るには、be動詞+主語+…」

 

この説明文を子供が一人で読んでたら寝てしまいそうだ。

 

 

 

印象としては、塾で使うような教材だなあと感じた。

 

先生に説明してもらって、ひとつひとつ確認しながら進めていく…そんな使い方に向いているのではないだろうか。

 

勝手に5段階評価

 

5つ星中、

☆。

1つ。

 

 

出版社の一ツ橋書店さんは、教員採用試験や公務員試験その他試験対策本を得意としているようで、

 

こちらの教材も「試験の内容がこうだから、そのためにこの項目を勉強する」

みたいな試験対策感が出ている。

 

 

先に述べた通り、「塾で使うような教材」であり、

一般の家庭で子供に与えるようなものではないかと思う。

 

 

タイトルは

『ENGLISH for FUN』(楽しむための英語)となっているが、

 

印象は真逆の

『ENGLISH for not FUN』である。

 

 

英語を楽しむどころか、

小難しすぎて英語が嫌いになりそうだ。

 

こんなに堅い内容なら、

どうせならタイトルももっとお堅いものにして欲しかった。

 

 

ワクワクするような楽しそうな教材かと思って

ウッカリ買ってしまう人もいると思う。(私である)

 

まとめ

 

 

「子供向け教材」にしては、

少々理屈っぽ過ぎる説明が多いのではないだろうか。

 

 

こんなに難しい説明でわかるような優秀な子なら、

とっくに英検5級レベルを卒業しているのではないかと思う。

 

 

こういう勉強を子供にさせたい場合でも、

中学に入ってからでも全然遅くはないので焦る必要はない。

 

 

「この教材を子供が最後までやり抜く」ことを想定していないと感じたので、

辛口評価をさせていただきました。