チャンツで英単語を学ぶ<英検Jr.対応>『キクタンキッズ』/アルク 内容と感想

小学生向け


 

『キクタン』といえば、大学入試用の単語暗記本として有名な教材だが、

小学生や幼児向けの『キクタンキッズ』(初級・中級・上級)というのもある。

 

『キクタンキッズ』/アルク

初級→英検Jr. ブロンズ対応

中級→英検Jr. シルバー対応

上級→英検Jr. ゴールド対応

という3冊のシリーズ。

 

『英検Jr.』というのは、いわゆる普通の「英検」よりさらに易しいテストで、

英検Jr.ブロンズ→シルバー→ゴールド→英検5級→4級…の順にレベルが上がっていく。

きっかけ。

 

小4と小6の生徒に英語を教えているのだが、単調なリピート練習などしても集中は散漫でいまいちノってない。一言でいうと「つまらなそう」。

 

 

かといって、全然単語を知らない状態では問題を解くのも会話も無理だ。

 

 

そういえば、

他の英語教材で歌とかチャンツとかが少し出てきたときに、ノリノリになってすぐ丸々覚えていたな…

 

 

と思い出し、そういう教材を探したところ、

こちらの『キクタンキッズ』を見つけたのだ。

 

ちょうど、目安レベルとして

小6の子が英検Jr.ゴールド、

小4の子が英検Jr.シルバー

を目指すくらいがちょうど良かったので、

 

『キクタンキッズ』は英検Jr.に対応しているというのもポイントだった。

 

 

ちなみに

小学生高学年で英検Jr.なんて遅すぎるわヨ」という声が

世の教育ママから聞こえてきそうだが、

 

私は横と比べることは無意味だと思っている。

 

その子のレベルとタイプに合わせて、

指定された対象年齢など気にせず教材を選んだほうが良い。

 

教材のレベル・内容

対象レベル

一応、それぞれ公式には

初級…英語学習歴半年以上程度(幼児~小学生高学年)

中級…英語学習歴1年~(小学校低学年~高学年)

上級…英語学習歴2年~(小学校低学年~高学年)

 

となっているが、

基本的にキクタンの使い方は「CDを聞いてマネして単語を発音」を繰り返し、単語を耳から入れて頭に残す・記憶するというものなので、

「英語学習歴」は大して要らない。

 

聞こえる耳としゃべれる口があれば良い。

 

内容

各ページにはイラスト・スペル・意味がかいてあり、

 

1回目は普通に単語が読まれるのでイラストを眺めながら聞く。

2回目はチャンツ。ミュージックに合わせてリピート。

ミュージックは何種類か異なるものが用意されている。

 

その後、そのページのちょっとした復習問題がある。

 

1日見開き1ページで、7日分で「week1」が終わる。

それがweek 6まである。順調にいけば1か月半で終わるということだ。

 

各weekの最後には、まとめの復習ページがある。

 

特徴

チャンツで聞くというのが『キクタン』シリーズ最大の特徴。

チャンツは主に幼児・小学生の英語教育に使われていて、ミュージックに合わせて歌のようにリズム良く単語を発音して覚えようという方法である。

 

英語はリズム・アクセント・抑揚・ノリ(?)がかなり重要な言語なので、チャンツは相性が良い。

 

スペルの部分をなぞるようになっていて、そのためにはアルファベットを書く練習を少しだけしてあったほうがいい。

そういう理由で初級が「英語学習歴半年以上程度」に設定されているのかと思う。

 

が、英検Jr.はリスニング問題オンリーであり、まだ書けなくても良いので、チャンツで単語をリピートするだけでオーケー◎

なので、英語歴は半年も必要ない。

 

ぬりえもできます

イラストの部分は白黒になっていて、自由に色をぬれるようになっています。

CDで単語を聞く前に色をぬっておいたり、またはお子さんが「飽きたな~つまらんな~」という顔をしていたら、イラストでぬりえをして気分転換させるのも良いだろう。

 

オールカラーに比べて、

・出版社は印刷のコストカット

・学習者はぬりえで楽しめる

と双方にとってプラスになる素晴らしい発想である。

 

そもそもぬりえは脳の活性化にとても良いのだ。

 

小学生が実際使ってみたところ

小4に中級、

小6に上級

を使ってもらった。

 

結果、やはりチャンツは効果抜群だった。

 

1回目にCDから流れてくる単語<チャンツなし>を聞いているときは、

眠た目でぼ~~っとしているのだが、

 

2回目のリピート練習<チャンツあり>のときは、

さっきまで眠たそうだったのがウソみたいにノリノリになり

 

ロック風の音楽のときは、そこらへんにあるクイックルワイパーの柄をギター代わりにしながら

大きな声で楽しそうにリピートしていた。

 

 

ただなかなかチャンツを1回聞いただけで完璧に暗記というのは難しく、

復習問題ページで手こずるときもあるが、

 

小学生は「英語を楽しむ・親しむ」だけで良いと私は考えているので、

そういう意味ではすばらしい教材だ。

買ってよかった。

 

それに、チャンツ1回聞いてリピートしただけでも

ある程度は覚える。そこが子供のすごいところだ。

 

大人だと毎日同じことを聞いても次の日には忘れたりする…

 

 

ちなみに「なぞる」とか「ぬりえ」などの作業はしていない。

生徒も私もめんどくさがりなのだ。。

 

勝手に5段階評価

5つ星中、

☆☆☆☆☆。

5つ!満点!

 

「載ってる単語は全部完璧に覚えてるよ」というレベルでない限り、

小学生のために買って損はない。

 

とても楽しく英語に触れることができる教材だ。

 

おすすめの使い方

せっかく英検Jr.に対応しているので、他の英検Jr.用と組み合わせて使ってみよう。

こちらで紹介している『楽しくはじめる英検Jr.』に取り組む前に『キクタンキッズ』で単語を予習しておくという方法だ。

『楽しくはじめる英検Jr.』内容と感想

 

①キクタンキッズ(初級編(児童英検ブロンズレベル)

②楽しくはじめる英検Jr. ブロンズ 新装版 [ 旺文社 ]

③キクタンキッズ(中級編(児童英検シルバーレベル)

④楽しくはじめる英検Jr. シルバー 新装版 [ 旺文社 ]

⑤キクタンキッズ(上級編(児童英検ゴールドレベル)

⑥楽しくはじめる英検Jr. ゴールド 新装版 [ 旺文社 ]

 

と進めていくとスムーズだ。


ちなみに、小学校中~高学年向けの『キクタン小学生』(1・2)というのもあるのだが

 

今回紹介した『キクタンキッズ』も高学年までが対象になっているし、

必要な単語がより厳選・洗練されているイメージの『キッズ』のほうがおすすめ。

『小学生』のほうは小学校の英語の授業でカバーできる内容かと思う。